帝京大学医学部を卒業後、東京大学医学部附属病院の内科研修医として勤務し、その後に東京都老人医療センター（現在の健康長寿医療センター）の心臓血管疾患集中治療室で高齢者の救急医療の問題に直面しました。

退院したお年寄りは老夫婦や単身者が多く、付き添いや交通手段を確保することが難しいために外来へ通うことを諦めてしまい、何度も入退院を繰り返す現状を目の当たりにし、「自宅に医療を届ける」必要性を痛感しました。

そのため、再入院を予防する「医療部隊」を地域に展開することを目的に、平成8年(1996年)に「板橋区役所前診療所」を開設しました。

 

若手医師の活動として、朝日、読売、毎日、産経、東京の各新聞、NHKをはじめとするテレビ、ラジオ、雑誌などにその活動が紹介され、病院や福祉介護関係者にも在宅医療の必要性が認識されて、診療所は急速に地域に浸透しました。

 

2000年の介護保険制度の発足以降は、ヘルパー事業所やケアマネ事業所、訪問看護ステーション、通所事業所などの開設/運営にも関わり、介護保険制度にも精通しています。

 

平成18年(2006年)に在宅医療の推進のために国が制度化した「在宅療養支援診療所」は、厚生労働省の依頼で国際医療福祉大学大学院の高橋泰教授と共に制度設計を手掛け、島田医師が考案した名称と届け出要件などが採用されて、今日の在宅医療の普及と発展に繋がりました。
地域在宅医療を手掛ける診療所として全国でも有数の規模を誇り、さらなる質の向上に取り組み続ける在宅医療界のパイオニアです。

 

令和4年(2022年)から、在宅医療機関が加盟する全国組織「一般社団法人 全国在宅療養支援医協会」の事務局長に就任しました。

 

新型コロナウイルス感染症にもいち早く地域で往診提供を行った板橋区役所前診療所は、開院から30年近く経ち、現在までに1万人以上の患者さんを生活の場で診てきた在宅医療の先駆的な医療機関として活動しております。